世の中に幾億万の母あれど・・・

 「世の中に幾億万の母あれど、我が母親に、優れる母なし」という歌がある。これをどう読むかで、人間の大きさが異なる。そして、その人間の乗り越えなければならない課題も分かるのである。

 自分の母親だけが特別な存在で、自分の母親だけが世界一だと素朴に読む。それは、それで美しい。だが、その背景に、自分は、特別な存在だという稚拙な思い込みがある。

 「この作者は、普遍的な人間性と一体化した自分を実感して、その上で、改めて、自分の母親を至上のものとして詠っている」と考えたらどうだろうか。普遍的な母親の愛の本質に触れることで、この歌は、逆に、幾億万の人々のエネルギーを伴って、心に迫って来る。幾億万の母親の様々な異なる愛とその愛それぞれを至上のものと感じる幾億万の人々の思いが凝集されて、強烈に、胸に迫って来るではないか!

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