A)あの世とこの世


あの世が先にあって、この世が作り出された。

あの世の有様は、複雑・霊妙で人知を超えた領域、人の言葉で正確に言い表すことができない世界である。だが、敢えて、ここでは、単純化し、象徴的な表現で、その特徴を示してみたい。あの世は、創造主という「意志と創造の力を駆使する生命」が生み出したもの、或いは、「そのような生命」そのものであると言うことができる。ここから、全ての普遍的な力、因果を含む全ての法則、感情・論理・概念・イメージ・記憶などの源が流れ出ている。あの世は、この世の母体であり、この世を制御する非物質エネルギーの世界であるが、それと同時に、人の知覚では計り切れない高度な別世界を展開している。空間と時間を超越した次元にある。

一方、この世は分かり易い。我々が、通常、宇宙と呼んでいる物質域、縦横高に時間が加わった空間、物質と物質エネルギーに満たされ、物理や化学の法則に満たされた空間である。科学的手法が適用される領域である。これを物質宇宙と呼ぶ。物質宇宙は、前述の通り、創造主の意志により、創造主、即ち、あの世から生み出された。あの世のルールと力が、見えない形で、この世の「全空間と時間の流れ」に働いている。因みに、物理や化学の法則も、あの世を支配する普遍的な法則に従っている。

これらを、科学的な視点から説明すれば、物質化する以前の、心でしか感知できない非物質エネルギーが、ビッグ・バンによって物質化したということだ。このエネルギーは、物質化する時、水爆や原爆で放出されるものとは比較にならない程、大きな物質エネルギーに変化する。

コンピュータの進化によって、仮想現実の世界が簡単に理解できる時代となった。この視点から説明すれば、次の通りとなる。この世は、即ち、物質宇宙は、この世の意識ある全てのものが持つ全ての感覚を利用して作られた、あの世から投影される壮大なバーチャル・リアリティーである。般若心経は、実に、このことを、大昔に、説いている。

この世が、バーチャル・リアリティーだからといって、その存在に意味が無い訳ではない。筆者の提唱する創造循環(「この世に一番近いあの世の領域」の項を参照のこと)が、ここに存在する。この世の全ての生命体には心がある。虫にも心がある。心は、あの世とこの世を繋ぐ橋なのだ。この心を通じて、個的にも、集団的にも、この世の変化があの世の変化をもたらす。そして、又、あの世の変化がこの世の変化をもたらす。多くの場合、生命体の意思が向かう方向に、循環的に、この変化が進行していくのである。生物の進化は、突然変異や自然淘汰の裏にある、この創造循環を仮定して、初めて、その合目的性が解明される。世代を超えた文化の伝播についても、創造循環を考慮しなければならない。文化の伝播というものは、生きて繋がる世代間の交流と残された文物だけでは説明のつかないことが多いのである。

創造循環は、あの世とこの世を循環的に繰り返し回って、創造・進化に関与している。ここに、あの世をベースにしながらも、この世が生み出された理由がある。あの世の変化と比べて、この世の変化は、生命体の心に対し、感情的に激しい経験を与えるという特徴がある。これが、変化に一層の拍車をかける仕組みになっている。一方、あの世の変化は、生命体の心に影響を与える他、この世の物質的な構造・形態・性質の変化を引き起こす起点にもなっている。

この世を物質宇宙と呼ぶなら、あの世とこの世を含む全宇宙は、自然宇宙と呼ばれる。自然は物質だけで出来ているのではない。あの世の力とこの世の力が働いて、初めて、自然は存在することができるのである。例えば、生命体を考える場合、科学とコンピュータが進めば進む程、唯物論には限界が見えてくる。肉体部分の科学的解明が進めば進む程、心の半面が存在するあの世のエネルギーの存在を仮定せざるを得ない実態が見えてくるからである。

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