イルカとチンパンジー

イルカとチンパンジーはどちらが優れているのか。この質問には、様々な視点からの意味と価値があって、一概に答えることはできない。

チンパンジーは自己と他者・外界を厳しく分別・意識して生きている。自己や自己の所属する小さなグループを最優先して、他者と競争し、それに打ち勝つ能力を進化させてきた。愛の感情や他者を思いやる気持ちが全くない訳ではないが、他のグループと縄張り争いをして、場合によっては、相手の子供を引き裂いて食べてしまうこともある。お腹が空けば、仲間の食物を奪ったりもする。この方向での進化の最先端には、チンパンジーとゲノム配列がほんの僅かしか違わない人類がいる。人類もこの種の競争に打ち勝つため、知能を高めて、他者・外界を自己の都合に合わせて改変する力を進化させた。今や、自然の仕組み・実態の発見(科学)とその応用(技術)は、この意味に於いて、人類を他の生物とは次元の違うステージに引き上げたのである。

イルカは、当然のことながら、生存本能を備えており、生きるための競争はするが、それよりも、他者・外界との一体感を意識する能力を高め、他者・外界と喜びを共有するフレンドリーな感性を進化させてきた。イルカは、遊び好きで、好奇心旺盛、知能もそれなりに高い。見知らぬものを恐れて敵視するのではなく、安全と見抜けば、好奇心から、接触してくる。仲間の子供たちにも愛情を注ぎ、仲間と食物を分け合って、喜びを共にすることができるのだ。

チンパンジー型の能力だけでは、もう、人類は、この地球上で生き残ることはできない。物理的に巨大な力を持ってしまったからだ。バランス良く、イルカ型の能力を進化させなければならない。

どうすれば良いのか。筆者の仮説する「集合記憶感情伝達・創造循環・本能化・進化の仕組み」(別項参照のこと)に注目して欲しい。より多くの人々が、世代を重ねて、意識的にでも(建前からし始めたとしても)、他者と喜びを共有する体験を、積み上げれば、それで良いのだ(このためには、戦争のない世界、より良い社会を構築する必要がある)。やがて、前述の仕組みが動きだして、他者・外界との一体感を本能的に意識することのできる心の進化が人類全体に訪れるのである。ここまで進化すれば、もう、本音と建前を使い分ける必要がなくなる。

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