あれ?ニャン(何)ダ!

7日ほど前、いとこの家に向かっていた時のことである。
トンネルを抜け急坂を下り交差点に差し掛かった時、前の車が信号で停車、私も減速し、ゆっくりと停車した。
ふと前方に目をやると横断歩道の左側に信号待ちをしていたかのような小さな生き物が目に入った。
しかし、すぐに前車に隠れて見えなくなってしまった。
「あれ?」と思い右に目をやると、アッ!いた。
小さな生き物は思っていた通りネコであった。
驚いたのは、そのネコの足が三本しか見えなかったことである(左側に見えた時少しよろついて見えていた)。
そして、車が停止したのを確かめながら、しっかりと、悠然と、歩いて渡った。
しかも、やはり後ろ足が一本無く、三本足で歩いていた。少しグラつきながらも、しっかりと歩いていた。
野良猫と思えたが、四本足でも生存が大変であろうと考えられる中、「よく生きているなぁ!」と、感心してしまった。

ネコの訴え(気持ち)

私がまだ十代の頃、我が家に後ろ足の悪い一匹の猫がいた。ある日の夕方、学校へ行くため急いでいた私の足元にニャンコが走り寄り、ズボンのすそを加え、しきりに何度も呼び戻そうとする。私も急いでいたので、心残りだが、なだめすかし、その場を離れた。
学校への道々、「何?」と思いながらも授業へ(動物の勘で危険を察知? 私の身に何かが?)。
学校が終わり無事家へ帰りつくと、長兄が出迎えてくれ、「さっきお産婆さんをしたぞ、五つの新しい命を取り上げた」と言った。
そこで、私はさっきのニャンコの行動が理解できた。
ニャンコは「生まれそうだから手伝って」と私を引き留めたのだ。
相手のことを思いやる(言葉は通じないが)気持ちが足りなかったかな。